「変動金利と固定金利、結局どちらを選べば損しないんだろう」
そう思ってネットやSNSで調べるほど、頭が痛くなってきませんか?
ニュースで金利上昇の話題が出るたびに、不安な気持ちが膨らむかもしれません。
情報が多すぎて、どちらが正しいのか分からなくなるのは当然のことです。
住宅ローン選びで迷ったとき、多くの人が「どちらが得か」という視点で考えてしまいます。
ですが、僕がお金のプロとしてご相談をお受けするときに大切にしているのは、損得ではありません。
一番大切なのは「自分たちの家計の耐久力」です。
✓ 住宅ローン選びの基準
- ●「どっちが得か」の損得勘定をやめてみる
- ●「金利が上がっても耐えられるか」という家計の耐久力で決める
この記事の内容
「どっちが得か」は35年後にしか分からない
住宅ローンで「変動と固定、どっちが得か」という疑問に対する本当の答えは、完済した瞬間にしか分かりません。
なぜなら、これから35年間の世界情勢や金利の動きを正確に予測できる人なんて、どこにもいないからです。
どんなに実績のある専門家であっても、35年先の金利を当てることは不可能です。
だからこそ、「どちらが得か」という問いを追いかけるのを一度やめてみましょう。
考えるべき本当の問いは、「金利が上がった時に、うちの家計は耐えられるか」という点です。
この視点に切り替えるだけで、住宅ローン選びの視界はクリアになります。
変動金利は、スタート時点の借入金利が低く設定されているのが大きな特徴です。
その低さと引き換えに、将来の金利変動リスクを自分自身で引き受ける仕組みになっています。
一方の固定金利は、金利変動のリスクを銀行側に引き受けてもらう仕組みと言えます。
このあたりの考え方については、音声メディアの ふるふるラジオ でも詳しくお話ししています。
完済までのストーリーはご家庭ごとに違うからこそ、数字上の損得だけで選ぼうとすると失敗してしまうんです。
変動金利
スタートの金利が低い。
将来の金利変動リスクは自分で引き受ける。
固定金利
変動より金利が高め。
金利上昇リスクを銀行に肩代わりしてもらう。
固定金利は「安心をお金で買う」選択
固定金利の金利水準は、変動金利に比べて高く設定されています。
そのため、「固定金利を選んだら、金利が上がらなかったときに損をするのではないか」と不安になる方もいるでしょう。
僕は、固定金利を損得で捉える必要はないと考えています。
固定金利で払う金利の差額は、金利が上がるリスクを銀行に肩代わりしてもらうための費用です。
毎月の固定費が少し高くなったとしても、35年間ずっと返済額が変わらない安心感を手に入れることができます。
たとえ将来、金利がほとんど上がらずに変動金利の方が安く済んだとしても、固定金利を選んだことが損だったわけではありません。
「35年間、金利の上昇に怯えずに過ごせた費用」だと捉えれば、十分に価値のある選択です。
将来の不確定な要素に対して備える考え方は、資産形成でも同じです。
たとえば インフレ対策になる資産とは?
現金だけのリスクを減らす考え方 でもお伝えしているように、リスクの大きさを自分でコントロールすることが家計を守る基本になります。
固定金利とは、一定の料金を支払うことで安心を買う選択肢なのだと整理してみてください。
分かれ目は貯蓄の体力と心の体力
自分が変動金利と固定金利のどちらに向いているのか。
判断の分かれ目は、大きく分けて2つあります。
- 貯蓄の体力(金利が上がった時に支払いを続けられるか)
- 心の体力(金利のニュースを見ても落ち着いて過ごせるか)
貯蓄の体力とは何か
貯蓄の体力とは、金利が上昇して毎月の返済額が増えたとしても、家計が破綻しないだけの余裕があるかどうかです。
例えば、毎月の返済額が2万円から3万円ほど増えた場面を想像してみてください。
その増額分を、日々の家計管理や手元の貯蓄で問題なく吸収できるでしょうか。
もし手元の資金に余裕があり、毎月の収入からも十分な積立ができているなら、変動金利のリスクを取る選択肢が見えてきます。
日々のやりくりについては 家計の見直しはどの順番で進める?
挫折しない4つのステップ を参考にして、あらかじめ余白を作っておくことが役立ちます。
心の体力とは何か
もう1つの重要な要素が「心の体力」です。
これは、数字上の計算以上に、毎日の暮らしの安心感に直結します。
テレビやネットで金利上昇のニュースを見るたびに「うちのローンは大丈夫だろうか」とソワソワしてしまうなら、変動金利は向いていません。
どれだけ数字上で変動金利の方が有利に見えたとしてもです。
日々のお金に振り回されてストレスを抱えるのは、もったいないことだと僕は思っています。
資産運用においても、投資を始めたら、毎日チャートを見なきゃダメ?
|忙しい人でもできる投資の選び方 で書いた通り、自分の心が乱れない仕組みを作ることが長く続ける鍵です。
自分の性格に合っていて心の穏やかさを保てるかどうかが、ローン選びでは何より大切な指標なんです。
僕もこれまでたくさんの方のご相談に乗ってきましたが、最後は「夜ぐっすり眠れるかどうか」で決めるのが一番納得感があります。
数字の損得だけに振り回されず、ご自身の心の声を大切にしてみてくださいね。
金利が2%上がったら、をシミュレーションしてみる
住宅ローンを決定する前には、一度具体的なシミュレーションを試してみましょう。
頭の中で漠然と悩むより、数字を出してみる方がずっと気持ちが楽になります。
計算してみるべきなのは、「現在の金利」と「そこから金利が2%上がった状態」の2つのパターンです。
【3,000万円を35年ローンで借り入れる場合の試算例】
- 現在の金利(仮に年0.5%):毎月の返済額は約7.7万円
- 金利が2%上がった場合(年2.5%):毎月の返済額は約10.6万円

金利が2%上がると、毎月の返済額は約3万円増える計算になります。
年間で換算すると、約36万円の支出増です。
この「月3万円の増額」という具体的な数字を見たとき、ご自身はどう感じるでしょうか。
「このくらいの増額なら、日々のやりくりで何とかなる、何とかする」と思えるでしょうか。
それとも、「月3万円増えたら暮らしが立ち行かなくなる」と感じるでしょうか。
その時に湧き出た感覚こそが、あなたが選ぶべき金利タイプの答えになります。
ここで気をつけておきたいのが、変動金利にある「5年ルール」や「125%ルール」の存在です。
金利が上がっても5年間は毎月の返済額が変わらなかったり、見直し後も従来の1.25倍までしか返済額が上がらなかったりする仕組みです。
守られているように感じられるルールですが、これは支払うべき痛みを消してくれるわけではありません。
単に支払いを将来に後ろ倒ししているだけの仕組みです。
⚠ 「5年ルール・125%ルール」の注意点
毎月の返済額が変わらなくても、利息が免除されているわけではありません。
元本が減りにくくなり、未払利息が残ってしまうリスクがあることを知っておきましょう。
毎月の返済額が変わっていなくても、返済額の内訳で利息の占める割合が増え、元本がほとんど減らなくなります。
最悪の場合、納めきれなかった利息が「未払利息」として残ってしまう可能性もあるのです。
毎月の引き落とし額が変わらないからと安心するのではなく、裏側でどういう計算が起きているかを知っておく必要があるんです。
変動と固定を混ぜる「ミックス」という考え方
「変動金利の金利上昇リスクは怖いけれど、固定金利の金利の高さも気になる」
そうやって決めきれない方には、変動と固定を組み合わせる「ミックスローン」という手法もあります。
これは、借り入れる総額の一部を変動金利、残りの部分を固定金利で契約する方法です。
たとえば、3,000万円の借入のうち、1,500万円を変動金利、残り1,500万円を固定金利にします。
このように分けることで、全額を一方向のリスクに晒さずに済みます。
もし将来的に金利が上昇したとしても、影響を受けるのは変動で借りた半分だけです。
逆に金利が上がらなければ、半分は低金利のメリットを受け続けることができます。
予測できない未来に対して全額をかけるのではなく、リスクを分散させる考え方は住宅ローンでも有効です。
これから先、お子さんの成長や教育費の支払いなど、ご家庭でお金が必要になるタイミングは何度も訪れます。
教育資金の準備については 教育資金の効率的な貯め方|大学費用に慌てない準備の手引き でも詳しく書いていますが、住宅ローンと教育費のバランスを整える視点は欠かせません。
どっちか極端に決めるのが難しい時は半分ずつ借りる方法があることを知っておくと、家計のバランスを取りやすくなるんです。
まとめ
住宅ローンの変動と固定で迷ったときは、どちらが得かという損得勘定ではなく、自分たちの家計の耐久力で判断しましょう。
✓ 今回のまとめ
- ●35年後の金利を正確に当てられる人はどこにもいない
- ●問いを「どちらが得か」から「金利が上がっても耐えられるか」に変える
- ●判断に迷う場合はミックスローンでリスクを分散させる
住宅ローンの組み方に、万人共通の正解はありません。
一番大切なのは、住まいを得たあともご家族が穏やかに暮らせる環境を整えることです。
ご自身の家計の余白や貯蓄の伸び、性格に合わせてどんな金利タイプを選ぶべきか、全体像をつかみたい方は僕が開催している無料の お金の勉強会 を覗いてみてください。
正しい知識を持ち、自分たちの足元を確認しながら進めば、住宅ローンは決して恐れるものではありません。
あなたがご家族とともに、毎日笑顔で安心して暮らせる決断ができるよう、僕は心から応援しています!
ここまで読んでくださった方へ
お金の1問1答
読み終わったあとに、「うちの場合はどうなんだろう」が残ることがあると思います。
その1つを、そのまま送ってください。
僕が読んで、返事を書きます。
通話も日程調整もありません。
名乗らなくてかまいません。
数日のうちに、僕が自分で返事を書きます。