月末の3日間。
請求書、見積書、会議のメモ、取引先への定型の返信。
去年まで、誰かの残業で片づいていた仕事です。
今年は、たたき台がAIから返ってきて、人は確認と仕上げだけをしている。
残業代は出ていない。
その分の時間で、担当者はお客様に電話をかけている。
AIで人件費を減らしたい、というのは、たぶんこういう状態のことだと思います。
でも、調べると出てくるのは「人件費30%削減」「月80時間削減」のような他社の数字ばかり。
「で、うちはいくらなの?」
そこが、いちばん分からないんですよね。
※冒頭の場面は例です。
この記事の結論
AIで、人件費はいくら削減できるのか?
会社によって違うので、一般論の金額はあてになりません。先に「毎月くり返している事務仕事が、年間いくらにあたるか」を出すと、AIに任せる価値があるかどうかが数字で決まります。計算は「回数×1回の時間×時給×12か月」で足ります。
- ▶他社の事例の%は、自分の会社には当てはまらない
- ▶年額が小さい仕事にAIを入れると、かえって高くつくことがある
- ▶僕の会社は月約4万円のAIで、外注の相場で試算すると月100万円分以上の仕事を回している
- ▶時間が減るというより、同じ人数でできる量が増える
この記事の内容読むのに約5分
AIで人件費削減、他社の「30%」はうちの数字じゃない
事例の数字は、その会社の仕事の量と、人の単価で決まっています。
月に請求書を500件出す会社と、30件出す会社。
同じAIを入れても、浮く金額はまったく違います。
時給2,000円の人がやっている仕事と、時給4,000円の人がやっている仕事でも違う。
だから、他社の「30%」をそのまま自分の会社に掛けても、意味のある数字にはなりません。
原因はシンプルで、「自分の会社の事務仕事が、そもそも年間いくらか」を誰も出していないことです。
これを出さないまま進めると、何が起きるのか。
金額を出さずにAIを入れると、起きること
よく聞くのは、この3つです。
- ☑「とりあえず全社員分」のアカウントを契約して、使われずに月額だけが残る
- ☑便利そうな仕事から手をつけて、実は年に数万円分の仕事だった
- ☑担当者が忙しすぎて、AIを試す時間そのものが取れない
どれも、AIが悪いわけではありません。
どの仕事に、いくら分の価値があるかが分からないまま、道具だけを先に買っているからです。
じゃあ、どう出せばいいのか。
計算は、思っているより簡単です。
式は1本。回数×時間×時給×12か月
使うのは、この式だけです。

たとえば、こういう会社だとします。
※数字は計算のしかたを示すための例です。月給30万円に社会保険などの会社負担を足すと月約37.5万円。160時間で割ると約2,300円なので、計算しやすく2,500円に丸めています。
3つの仕事だけで、年間およそ74万円。
決め方は、ここからもう一歩です。
74万円のうち、たたき台づくりの部分をAIに任せられるとします。
仮に3割なら、約22万円。
AIの利用料が1人月3,000円ほどなら、年に約3.6万円です。
この差が大きいほど、先に始める価値があります。
※3割と月3,000円は、考え方を示すための仮の数字です。どこまで任せられるかは、仕事によって違います。
この74万円の仕事のうち、たたき台づくりの部分をAIに任せる。
人は、確認と仕上げに回る。
これが「AIで人件費を減らす」の中身です。
ここで大事なのは、次の一言です。
AIは、年額が小さい仕事に入れると、かえって高くつくことがあります。
年に数万円の仕事なら、AIのほうが高い
「AIのほうが、人より高くつくのでは」という声も聞きます。
実際、ありえます。
高くつきやすい仕事
月に数回しか発生しない。1回ごとに状況が違う。使える人が社内にいない。
効きやすい仕事
毎月くり返す。形がだいたい決まっている。たたき台があれば人が早く仕上げられる。

AIの利用料は、1人あたり月数千円から始められます。
それでも、年に数万円分の仕事にしか使わなければ、元は取れません。
逆に、年額の大きい仕事に絞って入れると、利用料はほとんど気にならなくなります。
「本当にそうなるの?」
事務仕事とは作るものの種類が違いますが、考え方は同じです。
くり返す仕事に絞ってAIに渡すと、利用料に対してどれくらいの仕事になるのか。
僕の会社の数字でお見せします。
月4万円のAIで、何をしているか
僕の会社のAIの利用料は、月約4万円です。
2026年6月から9月1日までの約3か月で、AIと一緒にこれだけのものを作りました。
外注の相場で試算すると、月100万円分を超えます。
※外注の相場による自社の試算です。作ったものの数は2026年9月1日時点です。
ただ、正直に言うと、僕の働く時間は減っていないんです。
浮いた時間に、次の仕事を入れているので。
人件費が「減った」というより、同じ人数でできる量が増えた、が実感に近いです。
何にいくら払い、何を作ったのか。
その内訳は、こちらで全部お見せしています。
まず、3つの仕事で年額を出してみる
冒頭の「月末の3日間」は、特別な会社の話ではありません。
どの仕事に、いくら分の価値があるかが見えれば、どこから始めるかは自然に決まります。
3つの仕事を選ぶだけで、年額の目安が出るページも用意しています。
無料
AI人件費換算 セルフ診断
3つの仕事で、年間いくらかの目安が出ます
毎月くり返している事務仕事を3つまで選ぶと、
年間の人件費換算と、AIに任せられる候補の額がその場で出ます。
入力した内容は、どこにも送信されません
1つの仕事の年額が見えるだけで、次の一手はずいぶん選びやすくなります。
じわじわ、一緒に進めていきましょう。
年額が見えたら、次は「誰に覚えてもらうか」です。
全員に一度に教えるより、効く順番があります。

