「持ち家と賃貸、結局どっちを選べばいいんだろう」
そう思いながら、何年も決められずに過ごしていないでしょうか。
住宅展示場に行ってみたり、賃貸物件の検索サイトを眺めてみたり。
調べれば調べるほど、どちらにもメリットとデメリットがあって頭が重くなりますよね。
周りの友人が家を買ったと聞くと焦る気持ちも湧いてきます。
でも、何を基準に決めれば後悔しないのかが分からない。
実は、答えが出ないのはあなたの決断力がないからではありません。
考える順番が、ほんの少しずれているだけなのです。
お金のプロとして多くの方の相談を受けてきましたが、この迷いから抜け出すための手順は決まっています。
この記事の内容
「買うか借りるか」が最初の問いではない理由
家を選ぶとき、多くの人がいきなり「持ち家か、賃貸か」という二択から考えてしまいます。
しかし、これは手段から考えてしまっている状態なのです。
人生の買い物をするときは、順序がとても大切です。
まずは「どう生きたいかというゴール」があり、次に「どんなお金の計画を立てるか」があり、最後に「どんな道具を使うか」という順番になります。

家は、暮らしを豊かにするための「道具」に過ぎません。
道具の比較から入ってしまうと、自分たちの人生に合っているかどうかが見えなくなってしまうんです。
だからこそ、買うか借りるかを決める前に整理すべきことがあります。
家計全体を見直すときも、同じように順番を意識することが失敗を防ぐ近道になります。
家計管理の全体像については家計の見直しはどの順番で進める?
挫折しない4つのステップでも詳しく書きました。
まずは道具選びを一度脇に置いて、自分たちの暮らしの条件を言葉にしてみましょう。
✓ 後悔しない住まい選びの考え方
- ●1. どう生きたいかというゴールを先に決める
- ●2. どんなお金の計画を立てるかを考える
- ●3. 最後に自分たちに合う道具(持ち家か賃貸)を選ぶ
いつまでそこに住むつもりかをふわっと決める
1つ目に決めておきたいのは、「そこに住む期間」です。
きっちり何年何ヶ月と決める必要はありません。
10年以上住むつもりなのか、それとも数年で移動する可能性があるのか、ふわっとしたイメージで十分です。
なぜ期間が重要なのかというと、家を売り買いするときにはまとまった手数料や税金がかかるからです。
- 購入時や売却時にかかる手数料
- 登記や契約にかかる税金
- 引っ越しや家具の買い替え費用
住む期間が短い場合、家を買ってしまうとこれらの費用を取り戻すことが難しくなります。
転勤の可能性がある方や、暮らしの規模が変わりやすい時期は、賃貸のほうが費用面でも柔軟に対応しやすいのです。
逆に「この街に腰を据えて10年以上暮らす」と決まっているなら、持ち家を検討する価値が十分に高まります。
将来の暮らし方には、お子さんの教育環境や成長スピードも深く関係してきますよね。
教育資金の準備と一緒に住まいの時期を考えると、全体の見通しが立ちやすくなります。
教育費の準備については教育資金の効率的な貯め方|大学費用に慌てない準備の手引きを参考にしてみてください。
住む期間の見通しが立つだけでも、選ぶべき選択肢はかなり絞られていくんです。
上限は返済額ではなく「家に出ていく全部」で見る
2つ目に決めておきたいのは、家に毎月出せる「お金の上限」です。
ここで多くの方が陥る罠があります。
「いまの家賃が10万円だから、ローンの返済が10万円なら買っても大丈夫だろう」と考えてしまうことです。
これは非常に危険な見立てです。
持ち家の場合、住宅ローンの返済以外にも毎月出ていくお金がいくつもあります。
- 固定資産税や都市計画税(毎年かかる税金)
- マンションの場合の管理費や修繕積立金
- いざという時の損害に備える費用
- 戸建ての場合の将来の外壁や屋根の修繕積立
ローンの返済額が月10万円だとしたら、実際には月12万円から13万円ほどの負担になると見積もっておく必要があります。
賃貸であれば、家賃と管理費を合わせた金額がほぼ毎月の支出上限になります。
設備が壊れたときの修理費用も、基本的にはオーナー側の負担です。
「毎月出ていくお金の全部」を合計して、自分たちの家計が耐えられるかどうかを見極めなければなりません。
僕自身、これまで何度も「何とかなる、何とかする」という気持ちで仕事や課題に向き合ってきました。
でも、住まいのお金に関しては、ノリや勢いだけで進めると後から生活を圧迫してしまいます。
現実的な数字を把握したうえで、無理のない枠を設定することが大切です。
この家とお金に関する現実的な考え方については、音声配信のふるふるラジオでも詳しく語っていますので、通勤中などに聴いてみてください。
将来の物価上昇なども踏まえると、現金だけで持つのではなく資産全体のバランスを考える視点も欠かせません。
物価の変化に強い家計づくりについてはインフレ対策になる資産とは?
現金だけのリスクを減らす考え方で解説しています。
住まいにかかる本当の合計額を書き出すと、我が家の適正な予算が見えてくるんです。
自由と安心、家族はどちらを大事にしたいか
3つ目に決めておきたいのは、家族が求める「価値観の優先順位」です。
持ち家と賃貸には、それぞれ全く異なる魅力があります。
賃貸の魅力
住み替えの「自由さ」がある。
環境の変化に合わせてフレキシブルに動ける。
持ち家の魅力
「安心感」や「満足感」がある。
自分たちの城として自由に空間を作れる。
賃貸の最大の魅力は「自由さ」です。
収入が下がったときや、近隣トラブルがあったとき、いつでも引っ越すことができます。
ライフステージの変化に合わせて、住まいのサイズを変えられるのも強みです。
一方、持ち家の最大の魅力は「安心感」と「満足感」です。
自分の所有物であるという感覚や、壁紙や間取りを自由に作れる楽しさがあります。
老後も住む場所があるという精神的な落ち着きを得られる人も多いでしょう。
ここで重要なのは、どちらが優れているかという論争には意味がないということです。
仕事の働き方が多様化している現代において、フットワークの軽さを重視したい人もいれば、家という拠点をしっかり固めたい人もいます。
正解は世間が決めるものではなく、あなたとご家族が何を大切にしたいかで決まるのです。
どちらを選んでも正解にすることができます。
だからこそ、ご家族で「僕たちは自由度と安心感のどちらにワクワクするか」を話し合ってみてください。
納得して選んだ道であれば、住んだ後に迷うことはなくなっていくんです。
今夜パートナーに聞いてほしいたったひとつの質問
ここまでお話ししてきた3つのことを整理できれば、持ち家か賃貸かという答えは自然と目の前に現れます。
とはいえ、いきなり電卓を弾いて難しいお金の計算を始める必要はありません。
まずは方向性をそろえることから始めてみてください。
今夜、パートナーにこんな質問を投げかけてみてほしいのです。
「10年後って、どんな場所でどんな暮らしをしていたい?」
この問いかけに、金額や計算の話は混ぜないでください。
「どこに住みたいか」「どんな毎日を送っていたいか」というイメージを共有することがスタートです。
10年後のイメージが揃えば、そこに住む期間が見えてきます。
期間が見えれば、予算の組み方が決まります。
予算が決まれば、持ち家が良いのか賃貸が良いのかは自然と固まっていくのです。
遠回りに思えるかもしれませんが、この会話こそが5年後の後悔を無くす一番の近道になります。
まとめ
持ち家か賃貸かで迷ったときは、次の手順で頭の中を整理してみてください。
✓ 決断に迷ったときの3つの手順
- ●1. 買うか借りるかという道具から考えない
- ●2. いつまでそこに住むかをふわっとイメージする
- ●3. 住まいにかかる全体の費用から適正な予算を出す
答えが出ないのは、考える順番が入れ替わっていただけです。
基準さえはっきりすれば、あなたにとって一番心地よい住まい方は必ず見つかります。
住む年数や出せる金額、家族の価値観を言葉にして整理したいけれど、一人では整理が難しいと感じることもあるかもしれません。
fulfullでは、そうした暮らしとお金の全体像を整理するための無料のオンライン勉強会を開催しています。
まずは知識の土台をつくる場として、気軽に活用してみてください。
正解は一つではありません。
順番通りに一つひとつ整理していけば、何とかなります。
納得のいく答えを一緒に見つけていきましょう。
家を選ぶことは、これからの人生の過ごし方を選ぶことです。
周りの意見や損得勘定に振り回されず、ご家族が一番笑顔で過ごせる住まいを、納得のいく手順で選んでいけることを応援しています。
ここまで読んでくださった方へ
お金の1問1答
読み終わったあとに、「うちの場合はどうなんだろう」が残ることがあると思います。
その1つを、そのまま送ってください。
僕が読んで、返事を書きます。
通話も日程調整もありません。
名乗らなくてかまいません。
数日のうちに、僕が自分で返事を書きます。