私たちの日常生活で、よく耳にする「景気が良い」「景気が悪い」という言葉。
ニュースや新聞で目にする機会も多いですが、実際にはどのような状態を指しているのでしょうか?
「景気の波に振り回されたくない」と不安を感じる方もいるかもしれません。
今回は、景気の基本的な仕組みと、私たちの生活への影響、そして景気に振り回されない具体的な準備について解説していきます。
景気とは何か
景気とは、世の中全体の経済活動の活発さを表す言葉です。
具体的には、企業の生産活動や、僕たちの消費活動、雇用の状況などを総合的に見て判断されるお金の流れの状態を指します。
世の中全体を流れる「お金の血の巡り」のようなものだと考えてみてください。
お金が勢いよく巡っている状態が「景気が良い」、巡りが悪く停滞している状態が「景気が悪い」という表現になります。
例えば、革新的な新商品が発売されて多くの人が購入するような状況では、商品を製造・販売する企業の収益が増加します。
収益が増えれば、そこで働く従業員の給料やボーナスが上がる可能性が高まるんです。
給料が増えた従業員は、休日に外食を楽しんだり新しい服を買ったりして、さらにお金を使います。
こうして社会全体にお金が行き渡っていくのが、景気が良くなる基本的なメカニズムです。
好景気と悪景気が生まれるサイクル
景気が良い状態とは、経済における「好循環」が生まれている状態です。
具体的な流れを整理してみます。
- 1. 企業が魅力的な商品やサービスを提供する
- 2. 消費者の購入意欲が高まる
- 3. 商品が売れて企業の売上と利益が増える
- 4. 従業員の給料が増え、新しい雇用も生まれる
- 5. 収入が増えた人がさらにお金を使う
- 6. 社会全体の経済活動がさらに活性化する
自動車産業を例に取ると分かりやすいかもしれません。
自動車がよく売れると、自動車メーカーだけでなく、部品を作る会社、運送会社、販売店、ガソリンスタンドまで利益が広がります。
働く人たちの収入が増え、外食産業や旅行業界など、一見関係なさそうな業界にまでお金が回っていくようになります。
この好景気は永遠に続くわけではありません。
世の中の人々に行き渡ると、新しい需要は徐々に落ち着いていきます。
需要が落ち着いて商品の売れ行きが落ちると、企業の収益が減り、給料の伸び悩みや雇用の抑制が起こります。
収入に不安を感じた人々が買い物や外出を控えるようになると、さらに企業の売上が落ちるという「悪循環」に入ります。
景気とは一方向に伸び続けるものではなく、山と谷を繰り返しながら循環しているんです。
景気が悪い時に個人が受ける影響とよくある誤解
景気の変動は、僕たちの毎日の暮らしに直接的な影響を与えます。
好景気のときには、給与の増加や転職のチャンス拡大といった恩恵を受けやすくなります。
景気が悪化すると、残業代の減少やボーナスのカット、将来への不安からくる消費の落ち込みが起こりやすくなります。
ここで多くの方が陥りがちな誤解があります。
「景気が悪い時期は、お金を一切使わずにじっと耐えるべきだ」と考えてしまうことです。
過度な節約に走り、生活の満足度を著しく下げてしまうケースを僕はたくさん見てきました。
実は、景気が悪い時期だからこそ安く買える資産があったり、自分の働き方を見直す絶好の機会になったりもします。
経済の波は自然な現象であり、個人の力で景気そのものをコントロールすることはできません。
景気を変えることはできなくても、自分の家計の守りを固めて準備することは誰にでも可能なんです。
景気に左右されない家計をつくる3つの手順
世の中の景気が良くても悪くても、安心して暮らせる土台を作るための再現性の高い手順をお伝えします。
複雑な知識は必要ありません。
僕がおすすめする手順は、次の3つのステップです。
ステップ1:生活防衛資金を確保する
まずは、万が一収入が減ったり途絶えたりしても生活できる現金を確保します。
目安となる金額は、毎月の生活費の「3ヶ月〜6ヶ月分」です。
毎月の生活費が25万円の方であれば、75万円から150万円程度を銀行の普通預金口座に確保しておきます。
このお金があるだけで、景気悪化のニュースを聞いても落ち着いて行動できるようになります。
ステップ2:毎月出ていく固定費を最適化する
次に着手すべきなのは、毎月出ていく固定費の削減です。
食費などの変動費を切り詰めるのはストレスがかかりますが、固定費は見直すだけで効果がずっと続きます。
特に見直したいのが、以下の3点です。
- スマホのプラン(格安SIMや大手キャリアのサブブランドへの見直しで月5,000円前後の削減)
- 使っていないサブスクリプション(月額動画サービスやジムの解約で月2,000円前後の削減)
- 毎月出ていく民間保証の見直し(補償内容の重複を削ることで月10,000円前後の削減)
これらを見直すだけで、毎月2万円、年間で24万円ほどの浮いたお金を作ることができます。
ステップ3:余剰資金を作る仕組みを作る
固定費を削減してできたお金は、使ってしまう前に「先取り」で別口座に移動させます。
給料が振り込まれたら自動的に積み立てられる仕組みを設定しておけば、残ったお金で生活する習慣が自然と身につきます。
支出の土台が小さくなっていれば、景気が悪化して収入が多少減ったとしても、焦る必要はなくなるんです。
新NISA・iDeCoと景気の波の上手な付き合い方
家計の守りが固まったら、新NISAやiDeCoを活用した資産形成を考えていきましょう。
景気のニュースを見ていると、「今は株価が高いから投資を始めるのは危険だ」「景気が悪いから投資はやめておこう」といった声が聞こえてきます。
お金のプロとして結論をお伝えすると、景気の良し悪しで積立投資を止めたりタイミングを測ったりする必要はありません。
新NISAやiDeCoで投資信託を積立購入する場合、「ドル・コスト平均法」という仕組みが働くからです。
毎月一定額を定期的に買い続けることで、以下のような状態が自動的に作られます。
- 景気が良くて価格が高い時:購入する数量を抑える
- 景気が悪くて価格が安い時:同じ金額で多くの数量を買い仕込む
景気が悪い時期は、将来値上がりするかもしれない資産を「安くたくさん仕込めるチャンス」でもあります。
値下がりしたからといって途中で積立をやめてしまうのが、一番もったいない行動です。
好景気のときも悪景気のときも、淡々と決めた金額を積み立てていく姿勢が長期的には大きな成果につながっていきます。
おわりに
景気の良し悪しは、天気の移り変わりのようなものです。
雨が降ることを止めることはできませんが、傘を用意してレインコートを着ることはできます。
ニュースの情報に一喜一憂して不安になる必要はありません。
毎月出ていく固定費を見直し、手元の現金を確保し、淡々と積立を続ける。
この正しいステップを踏んでいけば、どのような経済環境になっても「何とかなる、何とかする」という前向きな気持ちで過ごせるようになります。
僕に特別な才能があったわけではありません。
地道に行動を重ねてきたからこそ、この方法の再現性には自信を持っています。
まずは今日できることとして、毎月の固定費の明細をチェックすることから始めてみてください。
あなたの暮らしがより穏やかで安心できるものになるよう、心から応援しています。
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次回の講義もお楽しみに!
この記事は連載「今更聞けないお金の授業」の1本です。
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ここまで読んでくださった方へ
お金の1問1答
読み終わったあとに、「うちの場合はどうなんだろう」が残ることがあると思います。
その1つを、そのまま送ってください。
僕が読んで、返事を書きます。
通話も日程調整もありません。
名乗らなくてかまいません。
数日のうちに、僕が自分で返事を書きます。