株式投資というと「難しそう」「お金持ちがやるもの」というイメージを持つ方は少なくありません。
でも実際には、日常生活の延長線から株を選ぶことができます。
普段から使っているサービスや身近なお店を手がかりにすると、投資はグッと身近で続けやすくなるのです。
ここでは、投資初心者が最初の一歩を踏み出すための銘柄選びの方法を、分かりやすく具体的に紹介します。
株の選び方「知っている × 使っている × 家計にメリット」で選ぶ!

最初の銘柄選びに迷ったら、次の3つが重なる企業を探すのがおすすめです。
- 自分が知っている会社
- 実際に使っているサービス
- 家計にプラスになるメリット
たとえば、毎月支払っている携帯キャリアや、よく行くスーパー、家族で利用する外食チェーン。
これらはすべて候補になります。
知っているからこそ情報を集めやすく、使っているからこそニュースや業績に敏感になれます。
そして「優待や配当で生活が少し楽になる」と感じられると、投資が続けやすくなるのです。
ただし、身近だからといって「なんでも買って良い」というわけではありません。
次の章では、安心して選ぶための最低限のチェックポイントを見ていきましょう。
選び方①|生活に直結した支出から候補を探す
最初のヒントは「レシートの棚卸し」です。
この1週間でどんなお店やサービスにお金を使ったかを思い出してみましょう。
スーパー、ドラッグストア、コーヒーショップ、携帯代、通販サイト――すでにたくさんの候補が見えてきます。
たとえば、KDDI(au)やNTTドコモといった通信会社は、毎月の利用料金があるため景気に左右されにくい“インフラ系”。
スカイラークグループやマクドナルドは、株主優待で食事券がもらえることで人気があります。
生活費や外食費の一部を優待でまかなえると、家計にも嬉しい実感がありますよね。
こうした「生活直結型」の銘柄は、日常とつながっているからこそ観察しやすく、投資を学ぶ入口にぴったりです。
次は、身近さに加えて“続けられるかどうか”を見極める工夫を紹介します。
選び方②|“身近”でも買う前に3つを確認する

身近だからといって、どんな銘柄でも安心とは限りません。
最低限、次の3つを確認してみましょう。
まず大事なのは売上と利益の方向性です。
5年程度の推移を見て、右肩上がりか、下がっても回復しているか。
ずっと下降している銘柄は、初心者の最初の1銘柄としてはおすすめできません。
次に配当や優待の持続性。
高配当をうたいながら無理をしている会社や、株主優待の廃止・改悪のニュースがある会社には注意が必要です。
配当や優待は続いてこそ家計のメリットになります。
最後に自分自身がリピートする理由を一言で言えるかどうか。
「子連れでも入りやすいから」「通信が安定しているから」など、自分が続けて利用する理由は、その会社の競争力を示すヒントになります。
この3つを意識するだけで、「なんとなく良さそうだから」という衝動買いを避けやすくなります。
次のステップでは、さらに網羅的に候補を洗い出せる「生活マップ法」をご紹介します。
選び方③|「生活マップ法」で1日の行動から候補を出す
株の候補は、あなたの1日の生活の中に隠れています。
朝起きてスマホを触り、コンビニでコーヒーを買い、通勤で電車に乗り、昼に外食、夜にサブスク動画を観る――。
これだけで通信、小売、鉄道、外食、ITサービスといった銘柄が浮かび上がります。
さらに、この候補を3つの箱に仕分けすると考えやすくなります。
- 固定費:携帯代、電気・ガス、保険、サブスク
- 変動費:外食、スーパー、ドラッグストア
- ご褒美:旅行、カフェ、テーマパーク
仕分けた後は、自分の目で観察してみましょう。
スカイラークなら週末の混み具合、スターバックスなら値上げ後もお客が減らないかどうか。
こうした観察は、数字だけでは分からないリアルな情報になります。
生活を地図にして候補を見つける「生活マップ法」は、初心者でも自然に投資の目線を育てられる方法です。
次は、選んだ候補をどう扱うかを考えてみましょう。
買いたくなる気持ちを抑える「仕組み」で管理する

人は欲しいと思った瞬間に飛びついてしまうものです。
でも、株は冷静に向き合うことが大切。そのために「仕組みで管理する」ことをおすすめします。
まずは候補をウォッチリストに入れて、2週間は眺めるだけ。
価格の動きやニュースとの連動が少しずつ見えてきます。次にアラートを設定して、価格や決算発表のタイミングで通知を受け取る仕組みを作りましょう。
そして最後にメモを残すこと。
「なぜこの株を買いたいと思ったのか」
「いくらなら買うか」
を言葉にして残しておくと、後で冷静に振り返る助けになります。
こうして感情に流されない工夫をすれば、焦って買って後悔するリスクを大幅に減らせます。
続いては、学びをもっと楽しくするために「株の歴史」に少しだけ寄り道してみましょう。
株の歴史を知ると投資がもっと楽しくなる
投資は未来を見つめるものですが、歴史を知ることで背景への理解が深まります。
株式の起源は17世紀のオランダ東インド会社。
香辛料貿易の資金を集めるために生まれ、証券が売買されたアムステルダム取引所は世界初の証券取引所といわれます。
日本では明治時代に東京株式取引所が誕生し、鉄道や銀行株が中心でした。
「株は夢にお金を集める仕組み」という点は、昔も今も変わりません。
こうした話を子どもに伝えるだけでも「投資ってワクワクするものなんだ」と感じられるかもしれませんね。
初心者がまず押さえたい決算と指標

銘柄を選ぶときに「この会社は大丈夫?」と心配になりますよね。
でも最初はすべてを理解する必要はありません。売上・利益・PERの3つだけで十分です。
売上は会社の成長の器を示します。利益は黒字を続けられるかどうかの安心材料です。
そしてPERは、株価が割安か割高かをざっくりと判断できる指標です。同じ業界や過去と比べると、今の株価がどう見えるかが分かります。
慣れてきたらROEや自己資本比率などに広げてもいいですが、最初は「会社のお財布を家計簿のようにのぞく感覚」で十分です。
まとめ|投資は生活の延長でいい
株式投資は特別な人だけのものではありません。
毎日の生活の中から銘柄を見つけ、仕組みで冷静に管理すれば、誰でも一歩を踏み出せます。
- 出発点は「知っている × 使っている × 家計にメリット」
- 探し方はレシートや生活マップ法で
- 買う前は売上・利益・PERをチェック
- 焦らず仕組みを整えて感情を抑える
難しそうに見えても、株はシンプルで身近なもの。生活とつなげることで、学びながら続けられる投資になるのです。
よくある質問(FAQ)

Q. いくらから始めればいい?
生活費に影響しない“余裕資金”からが基本です。最初は小さな金額で学習する気持ちで始めましょう。
Q. 優待だけを目的にしてもいい?
優待は魅力的ですが、変更・廃止のリスクがあります。配当や事業の持続性も合わせて確認するのが安心です。
Q. 銘柄は何社くらい見るべき?
最初は3〜5社で十分。慣れてから少しずつ増やすと観察の質を保てます。
Q. PERって何を意味するの?
株価と利益のバランスを示す指標で、割安か割高かの目安になります。ただし“絶対値”より、同業種や過去と比較することが大切です。