今回は、投資を始めたばかりの方が最初に直面しやすい悩み、「含み損」についてお話しします。
「買ったときよりも評価額が下がっている…」
そんな数字を目にするたび、心がざわつきますよね。私もそうでした。
でも、実はこの“含み損”という現象こそ、投資を続ける上での重要な学びの入り口でもあるんです。
含み損とは?実生活にも似たようなものがある

まず、「そもそも含み損ってなに?」というところから簡単に整理しておきましょう。
たとえば、10万円でドルを買ったとします。
その後にドル円相場が下がってしまうと、評価額は9万円、8万円…と目減りして見えます。
でも、まだ売却していない状態であれば、実際の損失(=確定損)は発生していません。
つまり、評価が“いったん”下がっているだけなんです。
この考え方は、私たちの日常生活でも似た場面があります。
たとえば、資格取得に数十時間と費用をかけたのに、それがすぐ仕事や収入に直結しないと、「損したな…」と思ってしまうこともありますよね。
でも、将来的にそれを活かして仕事に繋がれば? それは立派な「投資回収」になります。
含み損もまさに同じで、一時的に評価が下がっているだけのこと。
それは「失敗」ではなく、「プロセスの一部」なのです。
とはいえ、そう頭では理解していても、実際に数字が下がると不安になるもの。
ではなぜ、含み損を目にするとこんなにも心がざわつくのでしょうか?
なぜ含み損で不安になるのか?──原因を“構造的”に理解しよう
不安になる理由の多くは、「なぜ下がったのか」「どうすればよかったのか」が分からないことにあります。
そこで大切なのは、含み損が生まれる背景を“構造的に”理解しておくこと。
実は、多くの人がつまずく共通のポイントがあるんです。
1. 高値掴みをしてしまった
ニュースやSNSで「今が買い時!」と話題になると、思わず飛びついてしまう。
その時点で市場がすでにピークに近づいていたら、あとは下がるだけ…なんてことも。
▶︎ 感情的な判断は、冷静な投資の敵です。
2. 商品の特性を理解していない
新NISA、FX、投資信託、保険型の資産運用──それぞれに違った動き方やリスクがあります。
その特徴を知らずに「なんとなく」始めてしまうと、不安や混乱が起きやすいのです。
▶︎ よく分からない商品にお金を預けることほど、不安なことはありません。
3. 環境認識ができていない
為替や株価の裏には、経済指標や国際情勢といった「環境要因」があります。
それを無視してチャートだけを見ていても、なぜ上がるのか・下がるのか判断できず、振り回されてしまいます。
▶︎ 投資は「数字」だけでなく、「背景」も読む力が必要です。
では、含み損が出てしまった時、どのように行動すればいいのでしょうか?
次は、冷静さを取り戻すための3つの視点をご紹介します。
含み損をチャンスに変える3つのポイント

投資の世界では、含み損は“誰もが通る道”。
問題は、「どう受け止めるか」「どう対応するか」で未来が大きく変わります。
ここでは、含み損に直面したときにこそ思い出してほしい、3つの行動指針をお伝えします。
1. 目的を思い出す
「なんのために投資を始めたのか?」
この“原点”を見失ってしまうと、ちょっとした下落にも心が揺れてしまいます。
老後の資金づくり? 子どもの教育費? 副収入の確保?
あなたの投資目的がしっかり定まっていれば、一時的な含み損にもブレずに向き合えます。
2. 型を持つ
スポーツや習い事と同じく、投資にも「型」があります。
上手な人のやり方を学び、真似ることで、感情に左右されない投資スタイルが築けるのです。
▶︎ エントリー、損切り、利確──それぞれにルールを設けておきましょう。
3. 一人でやらない
投資で挫折してしまう原因の一つが、「孤独」です。
悩んだときに相談できる相手がいるかどうかで、継続できるかが変わります。
▶︎ 仲間がいれば、気持ちが楽になり、視野も広がります。
実際に、私も投資初期にはこの3つができていなかったからこそ、含み損に苦しみました。
次は、そんな私自身の体験を少しだけご紹介させてください。
含み損が出ている時にこそ、自分を深掘ってみよう
僕が初めてFXにチャレンジしたときのこと。
5万円の資金でスタートして、気づけば−3万円。
画面を見るたびに胃がキリキリし、「自分には向いてないかも」と思ったほどです。
でも、その経験を無駄にしないために、私は「なぜ損したのか?」を徹底的に分析するようになりました。
すると、
・高値で買っていた
・なんとなく始めた商品だった
・周囲の意見に流されていた
…そんな自分の弱点が次々と見えてきたのです。
含み損は、ただの「損」ではなく、自分を深掘りし、投資の軸を整えるチャンスでもあります。
ここからは、含み損で悩んでいるあなたが“今日から”できる具体的なアクションをご紹介します。
今日からできる3つのアクション

1. 投資の目的を書き出す
紙でもスマホでも構いません。
「私は何のために投資をしているのか?」を書き出すだけで、気持ちが整います。
2. 含み損の原因を分析する
どのタイミングで買った? 感情で買ってないか?
情報に流されなかったか?
冷静に“事実”だけを振り返ってみましょう。
3. 一人で悩まず、学べる場に飛び込む
仲間と学ぶことで、気づきや勇気が得られます。
あなたの投資が「続けられる」ものに変わるはずです。
さらに視点を変えて、“日々のお金の使い方”からも未来を変えてみませんか?
最後に:投資で大切なのは「続けられる仕組み」
投資で成功する人は、決して“ずっと勝っている人”ではありません。
損も経験しながら、ブレずに続けられる人です。
含み損が出たときこそ、投資の本質に立ち返るチャンス。
焦らず、自分と向き合いながら一歩ずつ前に進んでいきましょう。