Fulfullコラム

投資にも人生にも、空気を読む余白を|数字だけじゃ語れない、“感じる力”の話

2025.06.06


投資の世界では、「数字で判断せよ」とよく言われます。

チャート、経済指標、過去データ――

それらをもとに“合理的”に判断するのが、勝てる投資家の条件だと思われがちです。

でも実際には、数字通りにいかないことも多い。

むしろ「なんとなく嫌な予感がしたから手を引いた」とか、

「微妙な空気感を感じて様子見した」という判断が、

結果的に正しかったというケースが山ほどあるのです。

その背景にあるのが、

数字に現れない“空気”を読む力――つまり、感受性。

感受性とは?数字に出ない“違和感”をつかむ力

「感受性」と聞くと、芸術家や繊細な人の特性のように思われがちですが、

実はすべての人に必要な“生きる力”です。

感受性とは、

「微細な変化や違和感を感じ取り、言語化できなくても判断につなげる力」。

投資ではそれが、

・市場の空気感の変化
・相場の“妙な静けさ”やざわつき
・チャートに出てこない“裏の心理”

として現れます。

【実話】犬の雲と、空を見なくなった大人たち

ある日、4歳の息子と散歩していたとき、

彼が空を見てこう言いました。

「パパ!あの雲、犬が走ってるみたいだよ!」

正直、私は「いや、ただの雲やろ…」と思ったんですが、

よく見たら確かに、短い足で走っているダックスフントのような形をしている雲が。

その瞬間、ハッとしました。

「自分は最近、空をちゃんと見てなかったな」と。

仕事やスケジュール、効率や成果。

大人になると“感じる余白”がどんどん消えていくんですよね。

投資の世界でも“空気を読む人”が勝つ

私自身、投資スクールを運営していて、日々多くの受講生と接しています。

その中で、成績が伸びる人とそうでない人には明確な違いがあります。

負けが続く人の多くは、正解を求めすぎている。

「この通貨、今買っていいですか?」

「どのテクニカル指標を信じればいいですか?」

そう聞かれても、“正解”なんてありません。

相場は生き物で、常に変化し続けているからです。

一方で勝てる人は、

「このチャート、なんか変な感じがする…」
「いつもより軽く動いてるな」

といった、言葉にできない“空気”を感じ取って判断しています。

感受性は子育てでも生きる

これは投資だけの話ではありません。

あるママさんが保険の見直し相談に来られた時のこと

「昔、親に勧められてそのまま入ってるだけで…内容もよくわからなくて」

と不安そうに話されていました。

私は、その方の人生設計やお子さんの将来の話も聞きながら、

一緒に保険を組み直していきました。

すると、最後にその方がポロポロと涙を流されて。

「ちゃんと私のことを考えてくれる人がいるって…すごく安心しました」

この時、私は何か特別なことをしたわけではありません。

ただ、その方の“不安という空気”を感じ取って、寄り添っただけなんです。

感受性は、鍛えられる

「感受性なんて、生まれつきのものでは?」と思うかもしれません。

でも、感受性は習慣で育てることができます。

① 違和感をキャッチする練習をする

「今日はなんか、周囲がピリついてるな」

「相場が動きそうだけど、理由が見えない」

そういう直感的な“違和感”を無視せず、気に留めるだけで感度が上がっていきます。

② 感じたことを言葉にする

「楽しかった」だけで終わらせず、

「心がふわっと軽くなった」「安心感に包まれた」など、

感情の輪郭を言語化する練習を。

③ 感情を否定しない

「泣いてしまった自分はダメ」ではなく、

「それだけ大事に思ってたんだな」と受け止める。

そうすることで、自分にも他人にも“敏感”でいられるようになります。

数字に強い人ほど、“空気”に弱くなりがち

これは私自身も経験がありますが、

数字を武器にしていると、つい「数字だけで判断しようとするクセ」がついてしまいます。

もちろん、数字は大事です。

でもその裏側にある「空気」「雰囲気」「兆し」に気づけるかどうか。

実はそこが、長く生き残る人と、数字に振り回される人の分かれ道なんです。

終わりに|空を見上げる習慣を、もう一度

今日の帰り道、ちょっとだけ空を見上げてみませんか?

犬の形の雲がいたら、あなたの感受性は良好です(笑)

投資も人生も、計算だけじゃ動かない。

数字の奥にある“空気”を感じる余白――

それを取り戻すことが、

本当に“勝てる人”への第一歩かもしれません。

ブログ一覧に戻る