今回は、「認知症と口座凍結」という、ちょっとドキッとするようなテーマを取り上げます。
「親が認知症になったとき、お金の管理はどうなるの?」
そんな疑問に答えるべく、今回は“口座凍結”という見過ごせないリスクについて取り上げます。
実は、認知症と診断されただけで、銀行口座が使えなくなるケースがあるのをご存じですか?
年金や貯金があっても、引き出せない――。
そんな“想定外”に備える方法を一緒に考えましょう。
Voicyで聴く!
認知症になると、銀行口座が使えなくなる!?

「えっ、そんなことあるの?」
「年金も貯金もあるし、大丈夫でしょ?」
…実は、大丈夫じゃないかもしれません。
多くの人が知らないのですが、認知症になって判断能力がないと金融機関に判断された場合、銀行口座が凍結されることがあります。
たとえば…
ATMでお金が下ろせない
介護施設への支払いができない
医療費も引き出せない
そんな「想定外」の事態が、ある日突然やってくるかもしれないのです。
実際に増えている「凍結資産」の現実
実際、認知症による凍結資産は2020年時点で255兆円にも上り、
2040年には349兆円に増加すると予測されています。
これは「口座にはお金があるのに、引き出せない」人が全国にどれほど多いかを示しています。
年金は振り込まれるのに、引き出せないという落とし穴
「年金は毎月入るから安心」…そんな声も聞こえてきそうですが、ここにも注意が必要です。
年金の振込は続きますが、口座が凍結されていれば引き出せません。
つまり、お金はあるのに使えない状態。
冷蔵庫にケーキがあるのに鍵がかかってて開けられないような…そんなもどかしさが、家族にも本人にも降りかかります。
家族の介護費用を立て替えるケースも…
ある60代女性は、認知症になった母親の介護費用を、なんと100万円以上も自己負担で立て替えることに。
母親名義の口座に十分なお金があったにもかかわらず、凍結されていて引き出せなかったのです。
その後、成年後見制度を利用してようやく引き出せるようになりましたが、そこにもまた注意点が…。
成年後見制度の落とし穴
成年後見制度とは、本人が判断能力を失ったときに、
家庭裁判所が後見人を選び、代わりに手続きをしてくれる制度です。
しかし、
以下のようなデメリットもあります:
裁判所によって選ばれた弁護士などが後見人になると、報酬が月数万円かかる
一度開始すると、本人が亡くなるまで続く
財産の使い道が厳しく制限される(リフォームや車の購入などもNGの場合あり)
家族が自由に使えないことで、かえって不便に感じるケースも少なくありません。
では、どうすればいいの?

まだ判断能力があるうちに、事前に対策しておくことがとても大切です。
✔️ 任意後見契約
自分で信頼できる人を後見人として契約しておく方法。将来的に後見制度をスムーズに使えます。
✔️ 家族信託
資産を「託す」ことで、万が一判断能力がなくなっても、家族が管理・運用できる仕組みです。
✔️ 遺言やメモの活用
金融機関によっては、生前の意志を記録しておくことで対応がスムーズになることも。
まとめ:お金は「持ってる」だけじゃ守れない
いかがでしたか?
「認知症になったら、口座が凍結される可能性がある」
これ、もう他人事ではありません。
だからこそ、元気なうちに
「どうお金を管理していくか?」
「いざという時、誰が手続きをするのか?」
を考えておくことが大切です。
未来の自分と家族のために、今からできることを!!
この記事が、あなたの大切な人との話し合いのきっかけになればうれしいです。
Voicy『ふるふるラジオ』で配信中