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お金の歴史から考える 信用と価値の関係とは|今さら聞けないお金の授業 #6

2024.12.13


みなさん、こんにちは。

今回は「お金の歴史 第2弾」として、私たちの生活に欠かせない「お金の信用」について掘り下げていきます。

前回お伝えした金本位制から、現在の管理通貨制度への移り変わりを通じて、お金の価値と信用の関係について考えていきましょう。

前回のおさらい|金本位制とは

前回お話しした通り、人類は物々交換の不便さを解消するため、金や銀などの貴金属を使って取引を行うようになりました。

そして、貴金属の重さや純度を国が保証する「貨幣」が生まれ、さらに携帯性を高めるため、金と交換可能な「紙幣」が登場しました。

これが「金本位制」の始まりです。

参考:お金の歴史を解説!中学生でもわかるように書きました

金本位制の限界

金本位制の限界

しかし、この金本位制には大きな課題がありました。

それは「経済の成長に、お金が追いつかない」という問題です。

具体例で考えてみましょう:

・工場が建設され、新しい製品が作られる
・新しいサービス業が生まれ、価値が創出される
・人口が増加し、経済活動が活発になる

このように、人々の経済活動によって新しい価値が生まれても、金の量は限られているため、お金の量を増やすことができません。

この制約が経済の発展を妨げる要因となったのです。

管理通貨制度への転換

この問題を解決するため、世界は徐々に「管理通貨制度」へと移行していきました。

1971年、アメリカのニクソン大統領がドルと金の交換を停止したこと(ニクソンショック)が、現代の管理通貨制度への決定的な転換点となりました。

管理通貨制度の特徴

◆発行の柔軟性:

経済状況に応じて、必要な量のお金を発行できる。

中央銀行(日本の場合は日本銀行)が、法律に基づいて管理する。

◆金融政策の実現:

景気が悪い時は、お金の量を増やして経済を刺激する。

インフレが進みすぎる時は、お金の量を調整して物価を安定化する。

なぜ紙幣に価値があるのか?

なぜ紙幣に価値があるのか

ここで疑問が生まれます。

金との交換保証がなくなった紙幣に、なぜ価値があるのでしょうか?

答えは「信用」にあります。

以下の3つの要素が、現代の紙幣の信用を支えています:

◆法的な裏付け:

法律で「法定通貨」として定められている。

支払いの手段として認められている。

◆政府と中央銀行の信用:

経済状況を見ながら適切に通貨を管理している。

中央銀行の独立性が保たれている。

◆経済力による裏付け:

国の経済活動や生産力がある。

財政の健全性が保たれている。

信用が生み出す価値の差

国による通貨の価値の違いも、この「信用」で説明できます。

例えば、アメリカドル、ユーロ、日本円などの通貨が国際的に信頼されているのは:

〇経済が安定している
〇政治体制が安定している
〇中央銀行の独立性が保たれている
〇適切な金融政策が行われている

からです。

一方、経済的に不安定な国の通貨は:

▲インフレーションが激しい
▲政治的な不安定さがある
▲経済政策への信頼性が低い

といった理由で、信用が低くなり、結果として通貨の価値も低くなりがちです。

日常生活での応用

この「信用」の考え方は、私たちの日常生活でも見ることができます。

◆クレジットカードの例:

「クレジット(Credit)」は「信用」という意味です。

カード会社があなたの支払い能力を「信用」していることが裏付けになります。

その信用があるからこそ、後払いでの買い物が可能になるのです。

まとめ

お金の価値は、もはや金という物質的な裏付けではなく、「信用」によって支えられています。

この信用を維持するために、国や中央銀行は様々な施策を行っています。

次回は、この管理通貨制度の下で行われる具体的な金融政策について、詳しく見ていきましょう。

◆今回のポイント

金本位制から管理通貨制度への移行は、経済の発展に必要だった
現代のお金の価値は「信用」によって支えられている
通貨の価値の違いは、その国の信用力の違いを反映している

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次回の講義はこちらになります。

お楽しみに!

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