Fulfullコラム

【知っておきたい】日銀の為替介入とレートチェック【リスクも解説】

2022.10.01


先日、日銀が為替介入を行いました。

こういった相場の時には投資家としてチャンスであると思っています。

正直、利益を出しやすですね。実際に私は、日銀の為替介入時、オリジナルシステムで10万円、裁量トレードで20万ほど利益がでています。

この件について、Voicyで取り上げたところ非常に多くの反応を頂けたため、記事でも書き起こしておきます。

参考:Voicy ふるふるラジオ

ニュースを見て、そしてちょっと勉強するだけでお金を増やすことは可能です。お金がお金を呼び込んでくれるとも言いますね。投資の素敵な側面、お金の法則です。「知らないから怖い」って蓋をする、私はとてももったいないなと思っています。

本記事では、日銀の為替介入について解説します。「それなに?」という方向けに、用語説明~順を追って書いています。また後半では、為替介入のリスクやトレードチャンスについても触れています。

是非この機会に学習してみてください。

では早速いきましょう!

日本銀行とは?

Wikipedia

日本銀行、別名は中央銀行と呼ばれています。日本の中央銀行は日本銀行になります。その国の地域通貨で使用されている銀行券、=紙幣とか貨幣を発行する発行銀行です。

通貨の価値の安定を図るために 金融政策を図ったり、通貨の番人とも呼ばれたりしますね。これから取り上げる「為替介入」は、日本銀行が行う金融政策のうちの1つになります。

日本銀行の役割

日本銀行の役割は大きく三つあります。

・銀行のための銀行

・政府のための銀行

・発行の銀行

1つずつ見ていきましょう。

銀行のための銀行

一つ目は、各金融機関のお金を預かる場所としての機能、「銀行のための銀行」です。日本銀行は各金融機関にとって安心してお金を預けてくださいっていう場所です。

日本銀行は金融機関同士の資本決済も行っています。

例えば僕がAという銀行からBという銀行に振り込みしたいなって思った時。僕が使うのは三井住友からりそな銀行に振り込もうとか、みずほ銀行に振り込もう、自分の口座の中で移す時もありますよね。この時にAの銀行の行員が B の銀行にタカタカタカって走って行ってお金を『はい、これは森川さんの分の100万円です』ってお金を持ってくわけではなくて、振込情報を確認して、日本銀行がAという銀行から預かっているお金を B という銀行に振り込むことになります。

日本銀行が、この銀行間決済を行っています。

各銀行が日本銀行にお金を預けるのは、安心とか決済のためだけではありません。1957年に施行された準備預金制度に関する法律により、各金融機関は日本銀行にある一定の金額を預ける義務があります。

預けられたお金は日本銀行の金融政策として使用されています。

まさにボスみたいですね。いっぱい子分がいて、子分Aからお前んとこもちょっとは預けとけ、子分Bにも これぐらい預けとけ、こうやって資金を集めておいて、じゃあ俺が後で運用しておいてやるよ、みたいなイメージです。

政府の銀行

二つ目の役割は「政府の銀行」です。

政府のお金は国庫金とも呼ばれていて、私たちが支払っている税金とか交通違反をした時の罰則とか社会保険料にあたります。国庫金の中でも歳入金と言われるものです。それに対して国から私たちに支給される年金のような、国庫から出ていくお金が歳出金になります。

日本銀行は政府に変わって歳入金や歳出金の管理をする仕事を担っています。

発行銀行

三つ目に、日本銀行はお金を印刷するところ、「発行銀行」の役割があります。

紙幣には小さな文字で日本銀行券と印刷されています。お札お札と読んでいるのは、印刷された時点ではまだ日本銀行の券です。この券を各金融機関が日本銀行からお金を引き下ろした時点でお札に変わります。

余談ですが、日本銀行は「硬貨」を発行していません。硬貨は日本政府が製造して、日本銀行に流通、委託してるイメージになります。よく勘違いされるんですね、硬貨をよーく見てみると、そこには日本国って刻まれています。

他にも、各銀行の正面玄関には日本銀行の代理店って書いてたりします。これは日本銀行に代わって街の金融機関が、私たちに支払った税金や保険料などの歳入金の管理をして、その管理したお金は一旦日本銀行に入れるという意味ですね。

ここまで見てきたように、日本銀行は私たちにとって本当身近な存在です。あまり馴染みがないかもしれませんが、銀行の親玉なんですね。

為替介入について

為替介入時のドル円チャート

さて、日本銀行の立ち位置を理解したうえで、「為替介入」について話を進めていきましょう。

「為替介入」とは政府の財務省の財務大臣の権限で執行されます。その実務を行うのが日本銀行です。政府日銀と表現されるのもこのためです。

今回、日本銀行が為替介入時にしたことは、日本銀行が持っている米ドルを売って、日本円を買うという行為です。

為替介入は、よくない行為

為替介入はよくない行為と言われています。

そもそも金融市場は、需要と供給に応じて価格が形成されるべきだからです。投資家が自由に取引を行われた結果が、市場価格が形成されて行くのが理想です。

今回、政府日銀はですね、1986年の6月以来およそ24年ぶりになる円買いドル売りの為替介入に踏み切りました。今回145円を超えて146円にいきそうになったので、日銀が警告していました。145円ラインを超えてきたところで、円を買う方向、そしてドルを売るという方向、日本の外貨の準備を減らしていく行為に踏み切りました。つまり身を削るという行為です。

もし本気で円安を止めようとしているのであれば、1回だけではなくて何回か分けて同様の介入をしていくという可能性があります。トレードをしている方は、ちょっと注意が必要なんじゃないかなという相場です。

レートチェックとは|トレードのチャンスも

「レートチェック」という言葉を聞いたことありますか。これですねちょっとマニアックですが大切な言葉です。

「レートチェック」は、日銀が各銀行の担当者に連絡をして、相場の数字を尋ねるという行為です。為替取引を行う際に、例えば円を今売ったらどれぐらいドルを売ったらどれくらいで買ってくれるみたいなアンケートになります。

これを一般的に「為替介入を実施する前の段階で行われる」と言われています。

実は、為替介入の前、2022年9月14日に、レートチェックが行われていました。

複数の大手の金融機関の関係者へ日本銀行が尋ねるという行為です。ボスから各銀行へ、お前んとこでいくらで買ってくれる?みたいなことを聞くっていうことです。介入を匂わせる、みたいな効果があります。

あえて事前に銀行関係者とか市場関係者に匂わすことで、今回円安止めたいんだよって思わせることで、投資家のドル買いを抑制する狙いがあります。

今140円突破して145円~150円目指してる状況において、日銀が動くかもしれないと情報があれば、投資家側でドル買い/円売りを止める効果が期待できますね。

こういった形で、レートチェックは、市場対して介入の雰囲気で感じ取らせるみたいな意図を含みます。本当に為替介入やる必要があるかどうか、これを確認する前の儀式みたいなものであります。

円安が進んでいる理由

ここからは為替介入について、話を深くしていきます。

円安が進んでいると言われていますが、なぜ円安が進んでるかここご存知ですか?

この円安に進んでいる理由は、日本とアメリカの金利差です。アメリカは金融引き締めによる高金利、日本はまだ金融緩和による低金利の状態です。単純に考えて、金利が高いほうの通貨を持っておいた方がいいですよね。つまり、自然と米ドルにお金が流れている状態です。

円の価値が落ちていると言われますが、そういうことではないです。

日本売りの円安ではなく、二つの政策金利の金利差によってドル高・円安になっていて、悪い円安ではないよって言うことです。ここだけはですね理解をしていただきたいなと思います。

日本は利上げできない!理由は「国の借金」

ここまで見てきて、こう思う方がいるかもしれません。

「じゃあ日本も金利を上げればいいんじゃない?」

確かに、金利を上げれば円安は止まるかもしません。輸入商品が値上がりするところもある程度抑えられるでしょう。

しかし、日本が金利を上げると、それはそれで私たちの生活にも影響があります。分かりやすいのは住宅ローンですね。変動金利が上がって支払いが増えることになります。

もう少し大きいな範囲でみると、日本自体のローン「国債」に影響があります。日本は莫大な金額の国債を発行しています。日本が金利を上げれば、国債の返済金額もあがります。

日本が金利を上げない理由は、自分で自分の首をしめてしまうからです。

為替介入はリスクあり

最後に、為替介入のリスク面についても理解しておこうと思います。

為替介入は自分達(日本)が持っている外貨を使って行います。

有限な資産ですので、持っている外貨の範囲で介入しかできません。

また、持てる玉(外貨資産)量がバレてしまう可能性があります。

もちろん、日本が持っている外貨を全部使うわけじゃないですね。しかし持てる外貨のうち、何パーセントを使いますみたいな形で情報が公開されるため、売りを仕掛けられるという可能性があったりします。

こういったリスクを伴うため、為替介入はあまり得策ではないと言われています 。

・・・

こんなところで以上になります。

今日は日銀の話、為替介入の話、レートチェックについて書きました。皆さんの知識になっていただければ幸いです。

私のVoicyチャンネルでは、気になるけど自分ではちょっと調べないようなお金の知識についてお話していますので、是非一度聞いてみてください。きっとあなたの生活や考え方に役立つはずです。

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